ヌエック存続を願う声(3)山本ひろ子さん

ヌエックを利用してきた方々の言葉に触れ、それがどういう経験であったのかを知るにつけ、重なるように頭に浮かんできたのが「ユネスコ学習権宣言(1985年)」です。

こちらから全文を読めます(PDFファイル)

北海道に夜間中学をつくる会自主夜間中学・遠友塾より情報掲載許可いただきました。ありがとうございます。

実はこのユネスコ学習権宣言の全文邦訳を、最初は政府機関のサイトで検索しました。しかし文科省はじめとして全文邦訳の掲載はありませんでした。見つけることができたのは民間団体の発信からだけ。それも数少ないものでした。
※出版物では『社会教育・生涯学習ハンドブック』(社会教育推進全国協議会 編) に「国民教育研究所 訳」として掲載されています。

子どもの権利条約を推進する活動をしてきたわたしにとって、「学習権」というのはキーワードの一つといえるものです。単に識字率が高いこと=学習権が満たされている、ではなく知ることへの希求、そこから生まれる新たな学び、その場で生まれる対話が相互に影響を及ぼし、一人一人が力を得、さらには社会の変革へと繋がる。何より人が「わかる」ことに喜びを感じる。

こうしたことが基本的人権そのものであるということが、高らかに宣言されています。

今回、邦訳全文を探す中で、この宣言の邦訳が、NGO活動をされてきた方々の手によって途絶えることなく引き継がれてきたことを実感しました。それがあってこそ、わたしがこの知的財産を手にすることができるのだということも。

優れたバリアフリー機能も備え持つヌエック、多様な方々がここで相まみえ、互いに影響を与え合いそれが力となっていく様はユネスコ学習権宣言そのものだと感じます。

数字には見えないもの、このヌエックで人々の学びがもたらす未来への知的財産という価値は、計り知れない可能性を秘め、わたしたち人類にとって貴重な資源だと、ここであらためて思います。     

山本ひろ子さん(子どもの権利条約を推進する会)

#ヌエックまるごと存続を


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